「朝日生命プロジェクトR」は、資産や事業、さらには要員や組織といった「経営インフラ」を抜本的にリストラクチャリングする、主にストック面の改革でしたが、「サクセスA」は、保険本業における収益力、つまりフロー収益面の強化を目指すものです。
「サクセスA」初年度である平成15年度は、業務運営指標を従来の保険金ベースから、より総合収益との連動性が高い保険料ベースに移行することをはじめとした、新たなビジネスモデルのもと、数々の具体策を積極的に展開し、「お客様満足度」と「収益性」の一層の向上に努めました。
具体的な展開のポイントとしては、
の強化です。
まず、「第三分野商品」の本格的展開については、平成15年4月、50歳以上のシニア層向け専用商品「保険王カイゴとイリョウ」を発売するとともに、10月には、従来の通院保障の内容を充実させた「新通院特約」の発売等を行いました。なお、平成16年4月には、「生活習慣病」や「介護」の保障に特化した新商品、「生活習慣病保険」、「介護終身年金保険」、「介護一時金保険」を発売し、「保険王」における保障内容の一層の充実を図りました。今後とも、お客様の保障ニーズに、より一層お応えしてまいる所存です。
ご契約の「継続重視」に向けた取組強化については、「お客様サービスセンター」のフリーダイヤル化や、お客様対応を行うコミュニケーターの増員などの機能強化に加え、お客様サービスの推進を専門職務とする「お客様サービス職」の、全支社への新たな配置や、保全サービス専門スタッフである「サービスメイト」などの段階的な拡充を実施しました。また、「お客様満足度」向上に向けた取組みとして、社長を委員長として発足させた「お客様満足度向上委員会」を中心に、お客様の声を広く収集し、経営戦略・業務運営への迅速な反映に努めました。さらに、お客様のニーズの多い地域において、営業職員による第二土曜日の訪問業務を開始するなど、お客様へのサービスや、アクセスの充実に向けた取組みを強化しました。営業職員制度についても、抜本的な改正を行い、報酬体系上、契約継続に関する評価を大幅に高め、ご契約後のお客様サービスを重視した営業活動を徹底しました。
営業職員の「育成重視」に向けた取組みについては、職員の厳選採用を徹底するとともに、教育・指導の強化を図り、育成重視の運営を行いました。
続いて、「サクセスA」の成果を報告します。
まず、平成13年4月に発売した「保険王」の累計販売件数は、この3年間で約114万件となりました。このうちシニア層向けに開発した「保険王カイゴとイリョウ」は、平成15年4月の発売以来、大変ご好評をいただき、その結果、平成15年度のシニア層向け「保険王」の販売件数は、約10万件、前年度比293%となりました。
また、個人保険・個人年金保険の新契約高は、年換算保険料ベースで、前年度比102%、特に第三分野では、前年度比186%と、大きく進展しました。
一方、解約・失効契約高は、前年度比68%と、大きく減少しました。なお、個人保険・個人年金保険の解約件数では、前年度比64%、特に下半期は、前年度比51%と、減少基調が顕著となりました。
さらに、営業職員の「育成重視」に向けた取組みの結果、営業職員の販売効率は、一人当り新契約年換算保険料で前年度比130%となりました。また、営業職員の7月目育成率は、前年度に比べ約12%向上し、約72%となりました。
このように、「サクセスA」の初年度である平成15年度においても、着実な成果が現れており、今年度も「お客様満足度」と「収益性」の向上に向けた取組みを一層推進し、「お客様に最も信頼される生命保険会社」を目指し、全力を傾けてまいる所存です。