中期経営計画

前中期経営計画「Advance ~ The road to 2030 ~」の振り返り

2021年度からスタートした中期経営計画「Advance」では、2030年のありたい姿に「人生100年時代を迎え、生命保険事業を通じて、社会の課題解決に貢献する会社、お客様の“生きる”を支え続ける会社」の実現を定め、「2030年に向けた成長の道筋をつくる3カ年」との位置づけのもと、グループ新契約の伸展による保有契約の増大、資産運用収益の確保等を通じて収益力向上に取り組んできました。
コロナ禍や物価上昇等の厳しい事業環境ではありましたが、グループお客様数、グループ保障性商品の新契約年換算保険料、グループ保障性商品の保有契約年換算保険料の目標を達成した結果、当社の格付けがA格に向上しました。
〈経営戦略目標の達成状況〉

(注)1. グループ:朝日生命となないろ生命
2. 保障性商品とは、貯蓄性商品を除く、死亡保障および医療保障・介護保障等の第三分野の合計です。(代理店で販売している無配当団体医療保険を含む)

前中期経営計画で注力した取組み

前中期経営計画では、下記の戦略を中心に注力し、着実な発展を遂げました。
■第三分野戦略
 ・ 「介護保険といえば朝日生命」というブランドの確立
 ・ 医療・介護保障の第三分野商品・サービスの提供
 ・ 重症化予防をはじめとしたヘルスケア分野における価値提供

■チャネル戦略
 ・ マーケットへの対応力向上に向けて営業職員チャネルを時代のニーズに合わせて進化
 ・ なないろ生命の立ち上げ、およびデジタル化ニーズに対応するデジタルチャネルの確立
 ・ 国内マーケット縮小を見据えた、海外事業の拡大展開

■資産運用戦略
 ・ 経済価値型ポートフォリオへの移行や資産運用収益の確保
 ・ 責任投資の推進によるグローバルな社会課題解決への貢献

新中期経営計画
「ネクストA-『2030年のありたい姿』の実現に向けて-」

2024年度から2026年度の3カ年の新中期経営計画においては、「一人ひとりの“生きる”を支える」をビジョンに掲げ、生命保険事業が社会保障制度とともに社会を支える使命を担っており、事業活動そのものが企業としての社会的責任を果たす重要な活動であるという認識のもと、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
当社を取り巻く事業環境は、生産年齢人口減少に伴う国内マーケットの縮小や労働力不足、物価高によるコスト増等、激しい変化が続くことが想定される課題認識に基づき、新たな中期経営計画「ネクストA」は「2030年のありたい姿の実現に向けた道筋を確かなものとする3カ年」という位置づけでスタートしました。

新中期経営計画の考え方

  1. お客様一人ひとりに最適な商品・サービスの提供
    営業職員チャネルにおいては、営業職員給与引上げやスマートアイⅡ等の大型投資を確実に成果へつなげ、「高い質」と「十分な量」を兼ね備えた営業職員体制を構築します。
    また、なないろ生命においては「安定的な新契約業績の確保」と「次なる成長ステージでの体制整備」に取り組みます。
  2. 2030年以降も持続的に成長するビジネスモデルへの変革の加速
    環境変化を察知し、組織と行動を柔軟に変化させ、AI等のテクノロジーをビジネスにつなげられる人財を育成します。また、職員の自律的な挑戦や成長をサポートし、変化に挑戦していく組織を創りあげます。
    海外事業においては、既存事業の収益向上に加え、引受事業の実現に向けた取組みを進めます。
  3. 予測困難な事業環境変化(VUCA)に向けた検討・対応の推進
    新しいビジネスやテクノロジーについて調査・研究を進め、ヘルスケア・介護領域等で新たな収益ビジネスの立上げを目指します。

「ネクストA」の事業戦略

お客様一人ひとりに最適な商品を最適なチャネルで提供することを通じ、グループベースの収益力の向上を図ります。人的資本経営・DX戦略の推進により柔軟かつ耐久力のある事業構造への変革を加速するとともに、海外事業での収益拡大を図ります。
■営業職員チャネル
 人財育成・DX戦略(営業用端末スマートアイⅡの機能拡充等)に投資を行い、質の高いコンサルティングと丁寧なサービスを持続的にお届けできる営業職員体制を構築します。
 ・お客様サービスの拡充
当社の強みである医療・介護保障の商品のラインナップを拡充します。
また、Web手続きのさらなる利便性の向上やシンプルでわかりやすい電子手続きの拡充、AIを活用したお客様サービスセンターの対応力を向上します。

 ・お客様接点の維持・拡大のための営業職員体制強化
営業職員給与の引上げや営業職員の育成体制の拡充等、積極的な投資により営業職員体制を強化します。
また、リモート面談やデジタル提案等のハイブリッド営業の推進や営業活動のデジタル管理・分析を行います。


■なないろ生命
 安定的な新契約業績の確保と次なる成長ステージへの体制整備に取り組みます。
この中期経営計画は、事業の安定化とさらなる飛躍に向けた種まきを行う3年間と位置づけます。

 ・第三分野商品・チャネルにおける安定的なポジションの確立
魅力的な新商品を継続的に提供します。
また、代理店営業担当者(ソリシタ)を拡充・代理店との関係を強化します。
さらに、事務オペレーションの安定化と効率化を行い、システム強化による業務削減を推進します。

 以上を通じて、2027年度から2029年度の次期中期経営計画での飛躍を目指します。

■海外事業
 コンサルティングビジネスの収益向上を図るとともに、新たな事業を展開します。
また、国内マーケットにとどまらず、アジアを中心とした海外マーケットを拡大します。
■資産運用戦略
安定的な資産運用収益の確保およびトータルリターンの向上を目指します。
さらなる責任投資の推進により、グローバルな社会課題の解決に貢献します。
専門人財の育成およびDX活用により資産運用体制を強化します。


■リスク管理態勢
現行会計ベースの規制に加え、経済価値ベースのソルベンシー規制を見据えた健全性・収益性の向上に資するリスク管理を実践します。
コンプライアンス・リスクカルチャーのさらなる浸透を図ります。


■人的資本経営
職員の自律的な挑戦・成長のサポートにより個の力やエンゲージメントを高め、最適な人財ポートフォリオを構築します。
■DX戦略
スマートアイⅡ等の機能拡充、新活動管理・支援システムの導入等、変革を支えるインフラを整備します。
新たなビジネスの立上げや業務改革刷新に向け、アジャイル開発を行い、人財の育成、知見を蓄積します。

「ネクストA」の経営戦略目標

経済価値ベースのソルベンシー比率(Economic Solvency Ratio)の略称であり、生命保険会社の健全性を表す指標。