トップメッセージ
~サステナビリティ経営について~

まごころの奉仕でお客様、社会、従業員への責任を果たし、次の成長ステージへ

一昨年の就任以降、当社は企業理念の再整理を行い、「一人 ひとりの“生きる”を支え続ける」という使命(Mission)を軸に据えた経営の方向性を明確化してまいりました。1年目は現場に足を運んで当社の進むべき姿を確認し、2年目にはその方向性を明確に打ち出しました。そして3年目となる本年度は、それらを具体的な施策へと落とし込み、実行に移す段階に入っています。
2026年度は、当社にとって大きな転換点となる年でもあります。長年の経営課題であった逆ざや(利差損)が解消し、当社はいよいよ新たな成長のステージへと移行しました。これは単なる財務面での話ではなく、これまでの「守り」を重視した経営から、変化をチャンスと捉える「攻め」の経営への転換を意味しています。しかしながら、新たな成長のステージにおいても基本的な経営の方向性は不変です。「お客様、社会、従業員に対する責任」を「経営の三大責任」とし、その責任を果たしていくことを企業活動のベースとする「まごころの奉仕」を基本理念として、環境変化の中で価値創造を図ってまいります。

<お客様への責任>
どんな時も誠実に、お客様に寄り添う~「持続可能な営業職員チャネル」の進化~

お客様に選ばれ続ける保険会社であるために大切なことは、お客様のご期待に誠実に応え続けることです。チャネルの多様化が進む中、今なお営業職員チャネルを支持されるお客様が多数いらっしゃる理由、それは「この人から加入すれば安心だろう」という期待感にほかなりません。この期待感を生み出すのが、お客様のニーズに向き合う丁寧なコンサルティングであり、その期待に応え、信頼を確かなものにするのが、契約後の真摯なアフターサービスです。
「この人に任せていれば安心できる」という存在であり続ける営業職員は、当社にとってかけがえのない財産であり、お客様への提供価値の源泉そのものです。一方で、営業職員チャネルを取り巻く環境は大きく変化しています。当社は、採用・育成の強化や働きやすい環境の整備、さらにはデジタル活用による利便性向上など、構造的な改革を進めています。
環境変化に適応しながらも、その本質的な価値を揺るがすことなく進化させていく。それこそが、「持続可能な営業職員チャネル」の構築だと考えており、今後も真摯に取り組んでまいります。

<社会への責任>
信頼をかさねて、社会に必要な存在であり続ける~サステナビリティ経営の深化と社会課題への挑戦~

サステナビリティ経営において、当社は「社会的責任」と「社会課題の解決」という二つの側面を軸に取組みを進めてきました。責任投資や気候変動対応といった取組みを引き続き着実に推進するとともに、生命保険会社の本来的機能である保障の提供において、社会課題の解決に貢献できるレベルまで商品・サービスのレベルアップを図ってまいります。
その社会課題の解決の中核となるのが、介護・認知症分野における新たなエコシステムの構築です。
現在、日本における民間介護保険の加入率は依然として低水準にとどまっていますが、その要因として「給付金を受け取るだけでは解決しない」課題があるからでは、という仮説に至りました。介護に直面した際、お金はもちろん必要ですが、それをどのように使い、どのサービスを選ぶかが、重要な課題です。
また、認知症に関しては、発症後の対応だけでなく、その前段階である軽度認知障害(MCI)への早期対応や予防への対応も重要です。
こうした課題を踏まえ、当社は介護予防から要介護状態に至るまでの各ステージにおける信頼できるサービス提供事業者と連携し、お客様の課題解決を支援するエコシステムの構築に着手しました。
具体的には、当社の介護保険・認知症保険のお客様が専用ポータルを通じて各種サービスにアクセスできる環境を整備するものです。当初は認知症関連サービスを中心に提供を開始しましたが、今後、より広範な領域へとサービスを拡充していく予定です。
また、認知症に関する課題の一つとして、発症後に資産が凍結されるリスクがあります。これに対しては、家族信託の仕組みを活用し、元気なうちに備えることが可能な新たなサービスを導入しました。従来の課題であったコストや利用ハードルを軽減した仕組みにより、より多くのお客様が現実的な選択肢として活用できる環境を整えています。
このサービスの紹介を通じて、「認知症の資産凍結問題」を多くの方に周知すること自体が社会課題の解決への第一歩だと考えています。
こうした取組みは、単に商品性を高めるものではなく、お客様の生活に深く関わる課題に寄り添うものであり、その結果として商品を含めた当社の提供価値が高まるものと考えています。

<従業員への責任>
その誇りを胸に、次の安心をつくる~人的資本経営と変革の実行~

当社の持続的成長は、従業員一人ひとりの力によって支えられており、人的資本経営を中長期的な重要テーマと位置づけています。従来は「個の力の向上」や「エンゲージメント向上」を中心に教育やキャリア支援に取り組んできましたが、今後はそれにとどまらず、人的資本経営を「業務改革」と一体的に推進することで、付加価値創出型の組織への転換を図ってまいります。
具体的には、「不要業務の徹底的な削減」と「AI・システム化による業務効率の最大化」を通じて、人財の高付加価値業務へのシフトを進めていきます。これらは単なる効率化ではなく、「人が価値を生み出す領域」に経営資源を集中させるための構造改革です。
また当社は、業務改革の目的を「エンゲージメント向上」と位置づけており、生産性向上を「働き方の質の向上」や「中長期的な処遇改善」につなげていきます。これにより、「職員の成長・働きがい向上→サービス品質向上→お客様価値向上」という好循環の確立を目指してまいります。

変わらない価値を守るために、変わり続ける

当社の使命(Mission)である「一人ひとりの“生きる”を支え続ける」という価値は、今後も決して変わることはありません。この使命は、生命保険会社としての存在意義そのものであり、あらゆる経営判断の出発点であり続けます。
しかしながら、社会環境やお客様のニーズはかつてないスピードで変化しています。人口構造の変化、デジタル技術の進展、価値観の多様化などにより、保障に対する期待や求められるサービスの内容も変わり続けています。このような環境の中で、従来と同じやり方を続けるだけでは、お客様を支え続けるという使命を果たすことはできません。変えてはならないのは、「私たちは何のために存在しているのか」という根本であり、変えるべきものは、その使命を実現するための手段です。商品、チャネル、業務プロセス、組織運営—すべては目的達成のための手段であり、環境変化に応じて柔軟に見直していく必要があります。
変革を進めるにあたっては、「変わること」と「守ること」を対立的に捉えるのではなく、両者を一体として考える必要があります。変わらないことを守り続けるためには、むしろ積極的に変わり続けなければなりません。環境変化に適応し、提供価値を進化させていくことこそが、結果として不変の使命を守ることにつながります。
当社は先日、ベトナムの現地生命保険会社を買収し、ベトナム市場への本格参入をスタートいたしました。これは海外での事業規模を拡大し、将来の収益源とするための重要な一歩となります。
事業環境が変化する中でも、会社が成長し健全に事業を続けるためには、複数の事業の柱が必要です。
今後は、朝日生命と子会社であるなないろ生命にベトナム事業も加えて、朝日生命グループとしての成長を目指してまいります。

人生100年時代 まごころ尽くして

生命保険会社として最も重要なことは、将来にわたり健全な状態で事業を継続し、お客様に確実に保障を提供し続けることです。
当社は新たな成長ステージにおいても、「まごころの奉仕」を胸に、お客様、社会、従業員への責任を果たし続けてまいります。そして、「一人ひとりの“生きる”を支え続ける」という使命(Mission)のもと、これからの人生100年時代において真に必要とされる存在であり続けるべく、挑戦を続けてまいります。