生活習慣病

生活習慣病とは?おもな種類・原因・予防のポイントについて解説

「生活習慣病という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にはどのような病気があるのだろう」
この記事では、生活習慣病とは何かという基礎知識を始め、種類・発症の原因・予防のポイントまで解説します。

※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。

生活習慣病とは?

まず、生活習慣病とはどのような病気なのか、基礎知識について解説します。生活習慣病の重大性と、日頃のケアが必要な理由についてしっかりと理解しましょう。

日々の生活習慣が発症・進行に関与する疾患群

生活習慣病とは、毎日の生活習慣が発症や進行に関与する疾患群です。生活習慣には食事や運動の習慣を始め、喫煙・飲酒・睡眠といったさまざまな日々の習慣が含まれます。

生活習慣病は、以前は成人病と呼ばれていました。肥満や高血圧などが原因となり、年齢を重ねることで生活習慣病は発症し、進行すると考えられていたからです。しかし、子どもであっても生活習慣によっては発症することがわかったため、最近では生活習慣病と呼ばれています。

生活習慣病は重大な疾患につながりやすい

生活習慣病によって動脈硬化を引き起こすと、心臓や脳などの重大な疾患につながる恐れがあります。

そして、生活習慣病は発症しても自覚がなく、診断を受けたときには症状が進行しているケースが少なくありません。健康診断や診察を受けた際に生活習慣病と診断される異常値であっても、自覚症状がないため予防や治療といった行動を起こさない人もいるでしょう。

生活習慣病を予防するためには、症状の有無に関わらず、健康的な生活習慣を身につけることが重要です。そうすることで、生活習慣病を起因とする重大な疾患の予防にもつながります。

おもな生活習慣病の種類

おもな生活習慣病の種類は、

  • がん
  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 糖尿病
  • 高血圧性疾患
  • 肝硬変
  • 慢性腎不全

の7つです。以下で、それぞれの病気について詳しく解説します。

がん

がんは、さまざまな要因によって発症すると考えられている、身体に異常な細胞のかたまりができる病気です。食事・運動・休養などの生活習慣ががんの発症と進行に関わるため、生活習慣病の1つに分類されています。がんは発生する箇所によって、肺がん・胃がん・大腸がん・肝臓がんなど、さまざまな種類があります。

がんの完全な予防方法はまだ見つかっていません。しかし、他の生活習慣病の予防と同じ様に、健康的な生活習慣を身につけることががん予防につながると考えられています。

心疾患

心疾患は、動脈硬化が進行すると引き起こされやすくなる狭心症や心筋梗塞といった病気を指します。心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなった状態が狭心症です。また、心筋梗塞になると、血栓と呼ばれる血液の塊によって血管が完全に詰まり、血流が止まってしまうことで心筋の細胞が壊れてしまいます。

高血圧・肥満・高いLDLコレステロール値といった状態や、喫煙習慣も心疾患を引き起こす危険因子と言えます。

脳血管疾患

脳血管疾患とは、脳の血管の異常によって脳細胞が壊れてしまう病気の総称です。脳血管疾患には出血性脳血管疾患と虚血性脳血管疾患の2種類があり、脳卒中とも呼ばれることもあります。生活習慣に関わる高血圧・動脈硬化・喫煙が、脳血管疾患のおもな危険因子です。また、運動不足・睡眠不足・ストレス・飲酒などが発症の引き金となる場合もあります。

糖尿病

糖尿病とは、血液中の血糖値が高くなりすぎてしまう病気です。初期にはあまり症状がありませんが、糖尿病になると3大合併症と呼ばれる網膜症・腎症・神経障害につながる場合もあります。糖尿病により動脈硬化が引き起こされると、心疾患や脳血管疾患などのリスクも高まるので注意が必要です。

高血圧性疾患

高血圧性疾患とは、高血圧によって心臓や動脈に負担がかかって障害が起きた状態を指します。高血圧は、血管に高い圧力が常にかかっている状態です。それによって動脈硬化が起こり、脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞・慢性腎臓病などにつながる危険があります。

高血圧性疾患の原因となるのは、おもに塩分の過剰摂取・肥満・ストレス・運動不足などの生活習慣です。その他に、遺伝的要因・腎臓疾患・ホルモン異常といった病気によって引き起こされる場合もあります。

肝硬変

肝硬変とは、肝臓の細胞が硬くなり、肝臓全体がこぶのように変化してしまう病気です。病気が進行すると、腹水・黄疸・吐血といった症状が見られます。肝炎などの肝臓の病気やアルコールの過剰な摂取が肝硬変を引き起こすおもな危険因子です。肝臓の細胞が破壊されることで肝硬変が発症します。

慢性腎不全

慢性腎不全とは、腎臓の機能が慢性的に低下する多様な腎臓病をまとめた総称です。糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎・腎硬化症などが、慢性腎不全に含まれます。

糖尿病・肥満・心疾患・脳血管疾患との関わりも深く、不健康な生活習慣が慢性腎不全を引き起こす危険因子となります。

生活習慣病が発症する原因について

生活習慣病の発症の原因となる、具体的な習慣について以下で解説します。

日常生活におけるリスクを高める習慣

日常生活における生活習慣病の原因となるおもな習慣は、以下のとおりです。

  • お酒を多く、頻繁に飲む
  • 喫煙習慣がある
  • 睡眠不足が続いている

また、日々の生活によるストレスも生活習慣病のリスクを高めるため注意が必要です。

食事におけるリスクを高める習慣 

食事における生活習慣病の原因となるおもな習慣は、以下のとおりです。

  • 炭水化物の過剰な摂取
  • 脂っこい料理を好む
  • 料理の味付けは濃い目
  • 糖分が多く含まれた飲料をよく飲む
  • 間食を頻繁にする
  • 夜中に食事をすることが多い
  • 野菜を食べることが少ない

運動におけるリスクを高める習慣

運動における生活習慣病の原因となるおもな習慣は、以下のとおりです。

  • 週に30分以上の運動をすることが少ない
  • 通勤や買い物には、車を利用する
  • 汗をかくような運動は滅多に行わない

生活習慣病の予防の3つのポイント

前述のリスクのある習慣を改善し、生活習慣病を予防するための3つのポイントについて解説します。

「一無、二少、三多」が生活習慣病予防の基本 

生活習慣病予防は、日本生活習慣病予防協会が提唱する「一無、二少、三多」が基本です。
一無は禁煙、二少は少食・少酒、三多は多動・多休・多接を意味します。この3つのポイントを押さえた生活が、生活習慣病の予防にとても効果的です。

生活習慣病の予防のポイント①:タバコをやめる

まず、1つ目のポイントはタバコをやめることです。タバコはさまざまな生活習慣病の発症や進行に関わっており、禁煙は生活習慣病のリスクを下げる上で大きな効果が期待できます。

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、心臓や血管に悪影響をもたらす物質です。また、タールには、発がん物質・発がん促進物質・その他の有害物質が含まれています。

生活習慣病の予防のポイント②:バランスのよい食事

2つ目のポイントは、バランスのよい食事を心がけることです。暴飲暴食をせずに、カロリー・塩分・脂質が少なめの食事を心がけましょう。食生活の見直しは、糖尿病・高血圧・肥満の予防や治療に効果が期待できます。

また、生活習慣病の発症には、アルコールの摂取も大きく関わっています。体質的に多量のお酒を飲める方でも、1日の摂取量は日本酒で一合程度までに控えることが望ましいでしょう。

生活習慣病の予防のポイント③:適度な運動

3つ目のポイントは、適度な運動と十分な休息です。身体をしっかりと動かして、休養を取ることで、心と体の健康が保たれます。また、生き生きと暮らすためには、多くの人や物事と接する機会を得ることも重要です。

生活習慣病に対する備えを始めよう

生活習慣病に対する備えとして、日々の生活や習慣の見直しはとても効果的です。しかし、今回紹介したとおり、生活習慣病と一口にいってもさまざまな種類があります。そのような幅広い種類の生活習慣病を完全に予防することは難しく、また遺伝的な体質によって発症する場合も考えられるでしょう。 そのようなリスクに備えるためには、健康的な生活習慣への取り組みと併せて、保険の見直しを行うことも重要です。もしものときに安心して暮らすため、生活習慣病に対応した保険への加入を検討しましょう。

監修者

東京医科大学形成外科
医師 興津 寛

熊本大学医学部卒業。中国に留学し、漢方医学の研修を受ける。専門領域は内科、皮膚科、整形外科、形成外科

記事一覧へ