初めて医療保険に加入しようとする場合、どのように選べばよいかわからないと悩む方もいらっしゃるでしょう。 そこでこの記事では、医療保険の選び方の7つのステップについてわかりやすく解説します。年代別の必要な保障を始め、必要な給付金額・1入院や通算入院の限度日数・特約・保険のタイプまで理解できますので、ぜひ医療保険選びの参考にしてください。
※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
医療保険の選び方のポイント1:年代別の必要な保障を理解する
医療保険は年代によって、必要となる保障内容や保障額が異なります。医療保険の選び方のステップ1として、以下で年代別に必要となるおもな保障について見ていきましょう。
20代
20代は、他の年代と比較すると病気で入院するリスクが低いですが、ケガをする可能性は低くありません。まだ年収は多くないとしても、最低限の入院保障や手術保障は確保していたほうが安心です。
30代
30代は、20代よりも病気になるリスクが高まりますし、女性特有の病気に関しても30代での罹患率が高まります。また30代は、結婚や出産といったライフステージの変化も発生しやすい年代です。妊娠すると、自由に医療保険を選べなくなりますので、自分と家族の安心を考えて早めに医療保険へ加入しておきましょう。
40代
40代は、3大疾病や生活習慣病のリスクに備える保障も必要となります。入院による収入の減少に備えて、あるいは老後を見据えて手厚い保障の医療保険への見直しも検討したいところです。
50代
50代は、病気やケガで働けなくなった場合のリスクが高まるため、手術保障・入院保障・通院保障・がんなどの診断給付金特約が手厚い医療保険に加入しましょう。また、老後への準備を始めるのであれば、介護保険・認知症保険の加入も検討する必要があります。
60代
昨今の60代は、定年退職後も継続雇用や再雇用などで働く方が増えています。そのため年金生活に入るまでは、現役時代と同じくらいの保障はキープしたいところです。リタイアをして年金がおもな収入源となれば、働けなくなった場合の保障の必要性が下がります。一方で病気にかかる可能性は高まりますので、老後に備えて医療保障は継続して確保しておきましょう。
医療保険の選び方のステップ2:必要な入院給付金額
医療保険の選び方のステップ2は、必要な入院給付金額の決定です。自分に必要となる入院給付金額の考え方について以下で解説します。
入院給付金額の考え方の目安
必要な入院給付金額を検討する際には、公的医療保険制度の内容を考慮する必要があります。
日本には国民皆保険制度があるため、入院や通院によって支払う自己負担額は1割から最大で3割負担で済みます。その他にも会社員が加入している健康保険や、公務員の方が加入している共済組合には、病気やケガで働けなくなった際に給付される「傷病手当金」があります。またすべての健康保険には、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が月の上限額を超えた場合、その超えた金額を支給する「高額療養費制度」などがあります。これらの制度は、収入や年齢によって負担の上限額が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
自己負担限度額と公的医療保険制度による給付金を加味し、入院時に不足すると考えられる費用の一部を医療保険でカバーすると考えるのが順当でしょう。
入院にかかる費用について
入院にかかるおもな費用の種類として、治療費・薬代・食事代・差額ベッド代・リネン類のレンタル代・交通費などがあります。これらの費用は、入院が長引けばその分だけ増えるため注意が必要です。公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、入院にかかる平均費用は、高額療養費を差し引いても20.8万円となっています。高額療養費制度があるから、入院しても数万円の負担で済むと思い込んでいる方もいますが、数万円の負担で済まないケースが多い実態も知っておく必要があります。
参照:公益財団法人 生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf
医療保険の選び方のステップ3:1入院と通算入院の限度日数
医療保険の選び方のステップ3は、一度の入院に対する限度日数の決定です。
限度日数が長くなれば保険料は高額に
医療保険を選ぶ際には、1回の入院につき何日間まで入院給付金を受け取れるかを決める必要があります。これを「1入院の支払限度日数」といいます。限度日数は30日・60日・120日・180日といったタイプがあり、長くなればそれだけ保険料も高くなります。また通算の入院については、730日や1000日、1095日などの選択肢があります。公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、入院の平均日数は15.7日となっています。年代が上がると、あるいは脳血管疾患などの病気によっては、平均の入院日数が長くなるという統計もありますので、年代や備えたい病気に応じて限度日数は決めましょう。
参照:公益財団法人 生命保険文化センター
p037-079.pdf (jili.or.jp)「令和元年度生活保障に関する調査」44ページに記載
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf
「1回の入院」の考え方も知っておこう
一度退院して同じ病気で180日以内に再度入院した際には、「1回の入院」として扱われます。つまり、限度日数が60日であった場合、前回の入院が40日であったなら、同じ病気で再度入院した際、21日目以降は入院給付金が支払われないということです。
医療保険の選び方のステップ4:手術給付金のタイプ
医療保険の選び方のステップ4は、手術給付金のタイプの決定です。
手術の種類に関わらず受け取れる手術給付金
手術給付金は、ケガや病気の治療のために手術を受けた際に受け取れる給付金です。手術給付金の中には、健康保険の対象になっている手術を受ければ、病気の種類に関わらず給付金が受け取れるものがあります。手術給付金は入院給付金の20倍や40倍などの倍率で定められているか、10万円や20万円のように、一律で同様の金額が定められているものがあります。
日帰り手術から保障があると安心
最近では、入院を伴わない日帰りでの手術も増えています。そのような日帰り手術も保障の対象となっていると、いざという時に安心です。
医療保険の選び方のステップ5:その他の保障
医療保険の選び方のステップ5は、その他の保障の決定です。医療保険は基本的な保障に加えて、以下のような特約を付加することができます。
先進医療
厚生労働大臣が指定した高度な治療である先進医療を受けた際に、給付金が受け取れる特約です。先進医療の技術料は数万円程度のものから、300万円を超えるものまであります。先進医療に該当する治療の選択肢がある場合に、先進医療を受けたいと考えるのであれば、先進医療の特約を付加するとよいでしょう。 先進医療の保険金は、医療機関へ直接支払ってもらえるケースが多い点でも安心です。
がんや特定疾病
がんや心疾患・脳血管疾患などの特定疾病を対象とした特約もあります。この特約を付与すると、がん入院給付金・がん診断給付金・特定疾病入院一時金などが受け取れます。特約の名称や保障内容は保険会社によって異なるため、事前に確認が必要です。
通院
病気やケガの治療のために入院する場合、入院の前後の通院に対して、通院保障が受けられる特約があります。通院による治療が長期化した場合の費用が心配な方は、通院保障の特約の付加を検討するとよいでしょう。
女性特有の疾病
乳がん・子宮がん・子宮内膜症・子宮筋腫といった、女性特有の病気による入院や手術を保障する特約もあります。このような特約を付加すると、該当する病気で入院や手術した際に、入院給付金や手術給付金への備えをさらに手厚くすることができます。
医療保険の選び方のステップ6:保険期間と保険料払込期間
医療保険の選び方のステップ6は、保険期間と保険料の払込期間の選択です。
保険期間の定期タイプと終身タイプの違い
医療保険の保障が適用される保険期間のタイプは、定期タイプと終身タイプのおもに2種類です。定期タイプは一定の期間で保障が終わります。終身タイプと比べて加入時は保険料が低いですが、更新する度に徐々に高くなります。 終身タイプは保障が一生涯続きます。加入時の保険料は定期タイプよりも高いです。ただし、保険料はその後も変わりません。
保険料払込期間には短期払と全期払がある
保険料の払込期間には、短期払と全期払があります。保険料の払い込みの完了が、保険期間満了よりも早く終わるのが短期払です。全期払は、保険期間満了まで保険料の払い込みを続けます。 短期払は、10年間などの一定期間で払い終えたり、終了する年齢を60歳までなどと決めたりできます。それにより、その後の家計の負担を軽減できるというメリットがあります。
医療保険の選び方のステップ7:掛け捨て型と積み立て型
医療保険の選び方のステップ7は、掛け捨て型医療保険と積み立て型医療保険の選択です。
掛け捨て型医療保険
掛け捨て型医療保険には、解約した際に受け取れる解約返戻金がありません。その分、保険料は低く設定されており、家計への負担を減らして保障が受けられます。
積み立て型医療保険
積み立て型医療保険は、解約した際に解約返戻金を受け取ることができます。そのため、積み立て型医療保険は貯蓄型医療保険とも呼ばれます。積み立て型医療保険は、貯蓄としての役割を果たしてくれますが、そのぶん月々の保険料が高くなることがデメリットです。
必要な保障を考えて家計とバランスの取れた医療保険を選ぼう
今回紹介した7つのステップを参考に、自分にとって必要な保障をよく検討し、家計とのバランスが取れる医療保険を選びましょう。
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