生活習慣病

生活習慣病予防健診とは?受診するメリット・デメリットと人間ドックとの違い

生活習慣病予防健診とは、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に加入している35歳以上の被保険者が受診できる健康診断です。協会けんぽの補助を受けられるのがポイント。今回は、生活習慣病予防健診のメリット・デメリットの他、健診内容などについて解説します。

生活習慣病予防健診とは?

生活習慣予防健診の基本情報について解説します。

健診の対象者

健診の対象者は以下です。

  • 35歳~74歳の方 【一般健診】

一般健診に加え、年齢・性別により付加健診や乳がん・子宮頸がん検診、肝炎ウイルス検査を受診することができます。

健診を受けられる回数

健診を受けられる回数は年に1回です。同一年度内に2回以上受診した場合は、2回目以降の健診費用は自己負担となるため注意しましょう。

健診の内容

労働安全法に基づく健診に、胃がん・大腸がん検診や尿検査、血液検査に複数の検査項目が加わり、より詳細な検査ができるようになっています。

人間ドックとの違い

生活習慣病予防健診は一般的な健康診断より検査項目が多く、より詳細な検査ができるようになっていますが、人間ドックではさらに詳細な項目を検査することが多いようです。生活習慣病予防健診の対象者向けにオリジナルの人間ドックコースを用意し、「差額ドック」として提供している医療機関もあります。

生活習慣病予防健診を受けるメリットは?

生活習慣病予防健診のメリットは以下の3つです。

検査項目が豊富
労働安全衛生法で定められている項目の他、胃がん・大腸がんなどの検査が含まれており、検査項目が豊富なのが生活習慣病予防健診のメリットです。
定期健康診断の代わりになる
労働安全衛生法で義務付けられている健康診断の項目をカバーしているため、定期健康診断として利用することができます。
自己負担が少ない
健診費用の約6割を協会けんぽが負担するため、自己負担が少ないのもメリットのひとつです。安価な料金で豊富な検査を受けられます。

生活習慣病予防健診を受けるデメリットは?

生活習慣病予防健診のデメリットとしては以下の点があります。

希望する検査がない場合はオプションで追加する必要がある
生活習慣病予防健診は一般健診でも検査項目が豊富ですが、受けられる検査項目が決まっています。40歳未満で付加健診の項目を希望する場合には、差額ドックの受診も検討してみてください。

生活習慣病予防健診の検査項目

生活習慣病予防健診には一般健診とそれに付加できる付加健診、乳がん検診などがあります。それぞれの対象者や内容などについて解説します。

一般健診

受診対象
35〜74歳※年度内に75歳の誕生日を迎える場合、その前日までに受診が必要。
主な検査項目
労働安全法に基づく定期健診項目+胃がん検診、大腸がん検診、尿潜血、クレアチニン(腎機能)、ALP(肝機能)、白血球など

付加健診

受診対象
40歳、50歳
主な検査項目
腹部超音波検査、肺機能検査、眼底検査、尿沈渣顕微鏡検査など

乳がん検診

受診対象
40〜74歳(偶数年齢の女性)
主な検査項目
問診、乳房X線検査(マンモグラフィー)など

子宮頸がん検診

受診対象
20〜38歳(偶数年齢の女性):子宮頸がん検診を単独で受診できます
36〜74歳(偶数年齢の女性):一般健診に追加する形で受診
主な検査項目
問診、細胞診

肝炎ウイルス検査

受診対象
一般健診を受診する方
※過去にC型肝炎ウイルス検査を受診している場合は対象外
主な検査項目
HCV抗体検査、HBs抗原検査

生活習慣病予防健診の申込方法と流れ

生活習慣病予防健診の申し込み方法について解説します。以下が基本的な受診の流れになります。

  1. 健診機関一覧表などから希望の医療機関を選ぶ
  2. ご希望の健診機関に予約(協会けんぽの生活習慣病予防健診であることを伝える)
  3. 健診機関から「問診票や検査キット」などが届く
  4. 健康保険証・問診表・検査キット・自己負担額を準備して受診する
  5. 健診機関から健診結果が届く

なお、申し込み方法や受診までの流れは受診する医療機関によって変わる可能性があります。受診前にご自身で確認するようにしてください。

生活習慣病予防健診についてのよくある疑問

生活習慣病予防健診についてのよくある疑問を以下にまとめました。

健診はどこで受けられる?

受診できる医療機関が定められています。協会けんぽの各都道府県のホームページから確認できます。

参照:協会けんぽホームページ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

まだ34歳の場合は受けられない?

該当年度中に35歳になる場合は一般健診を受診できます。

今年75歳になる場合は受けられない?

該当年度に75歳を迎える場合でも、75歳の誕生日の前日までであれば受診できます。

協会けんぽ以外の健康保険に加入している場合は受けられない?

国民健康保険など他の健康保険組合に加入している場合、協会けんぽで実施している「生活習慣病予防健診」を受けることはできません。

ただし、他の健康保険組合でも類似の「生活習慣病予防健診」を実施している場合があります。対象年齢や受診項目、負担する費用は協会けんぽと異なる可能性がありますので、加入している健康保険組合に確認してみましょう。

まとめ

生活習慣病予防健診は、協会けんぽに加入する35歳以上の方を対象とした健康診断です。安価で豊富な種類の健診を受けられるので、健康診断の受診を検討している方はぜひ活用してみてください。

監修者

東京医科大学形成外科
医師 興津 寛

熊本大学医学部卒業。中国に留学し、漢方医学の研修を受ける。専門領域は内科、皮膚科、整形外科、形成外科

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