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血管年齢を下げる食べ物は?血管が老化する原因と対処方法

血管が老化する原因のひとつとして、バランスの悪い食生活があります。そのため、血管の老化を防ぐためには食生活の改善が重要です。今回は血管が老化する原因と血管年齢を下げる食べ物について解説します。

血管年齢とは?

血管の老化=動脈硬化の進行具合、を表すのが血管年齢という指標です。血管の老化は加齢によって進行しますが、偏った食生活・生活習慣の乱れによって血管年齢が実年齢以上になってしまうこともあります。

血管の老化は重大な病気につながる可能性も大

血管の老化が進行すると、血管の壁はダメージを受けた状態となり非常にもろくなっていきます。このように老化が進行して動脈硬化となった血管は、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす原因となります。そのため、このような生活習慣病の予防や、健康寿命を伸ばすという観点からも、血管年齢を下げることの重要性が注目されています。

血管の若返りには「内皮細胞」の新陳代謝が重要

血管は外膜・中膜・内膜の三層で構成されていますが、その血管の内膜には直接血液に触れる部分である「内皮細胞」というものがあり、血液中の悪い成分が血管壁内に侵入するのを防いだり、血液を固まりにくくさせたりする働きをもっています。血管年齢を下げるためには、食生活の改善や運動でこの内皮細胞の新陳代謝を促すことが重要です。

血管年齢はどのようにしてわかる?

血管年齢は医療機関で測定することができます。血管年齢検査では、動脈の硬さを測定するCAVI検査、動脈の詰まりを測定するABI検査を用いて血管年齢を割り出します。ご自身の血管年齢を知りたい、という方は最寄りの医療機関で、このような検査を実施しているか問い合わせてみましょう。

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血管の老化が進む原因は?

血管の老化が進む原因には以下のようなものがあります。

加齢

加齢により血管の老化が進行します。一般的には40~50代から血管の機能が衰えてきます。

運動不足

運動不足も血管の老化が進む原因のひとつです。運動不足は肥満や高血圧を招き、また血液の循環を悪化させます。

生活習慣の乱れ

喫煙やストレスの多い生活も血管の老化を進行させます。喫煙により血管が収縮し、血圧の上昇、動脈硬化をきたします。また過剰なストレスを受け続けると交感神経が過剰に刺激され、自律神経のバランスが崩れて、血圧の上昇・血液の循環の悪化を招き、血管に負担がかかります。

食生活の乱れ

塩分・糖分・脂質の多い食事は、血管年齢を上げる原因になります。それぞれ、どのような影響があるのか解説します。

・塩分
塩分を摂りすぎると血液中のナトリウム濃度が高くなり、これを薄めようとして水分を血管の中にとりこむことで循環する血液量が増加します。その結果、高血圧になり血管への負担が増えてしまいます。
・糖分・脂質
糖分や脂質を摂りすぎると、血液の粘度が高くなります。血液の粘度が高くなると、血管の内皮細胞が傷つけられ、血管に負担がかかってしまいます。すなわち動脈硬化をきたします。

このような影響から、日常的に塩分・糖分・脂質を多く摂っている方は血管への負担が大きくなり、実年齢よりも血管年齢が高くなりやすい状態となってしまいます。ファーストフードやインスタント食品・スイーツやスナック菓子などの摂取が習慣化している方は、血管年齢を高めてしまうこととなります。ですので、食生活を変えるだけでも血管年齢を下げられる可能性があります。

血管年齢を下げる食べ物と効果的な摂取方法

ここからは、血管年齢を下げるために注意すべきポイントと、おすすめの食材について解説します。

まずは減塩にチャレンジ

塩分摂取量を減らすためには、食事の際にひと工夫を加えてみましょう。いつものお醤油を減塩タイプに変える、市販のドレッシングではなくお酢やレモン汁などを調味料として活用する、など簡単なことからでも構いません。ラーメンなどの麺類は汁を飲み干さない、また腹八分目を心掛けて食事の総カロリーを減らすといった根本的なことも重要です。

カリウムを含む食品を摂取する

カリウムには塩分の排出を促す働きがあり、減塩のサポートにも最適です。納豆・豆腐などの大豆製品、野菜では、かぼちゃ・ほうれん草・ブロッコリー・枝豆・イモ類、など身近なものにもカリウムが多く含まれています。またりんご・バナナなどの果物はカリウムだけでなく食物繊維や抗酸化成分も含まれており、調理も不要なため、手軽に摂れる食材としておすすめです。

タンパク質で強い血管をつくる

マグロ・カツオ・サバなど新鮮な魚類には、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。タンパク質は血管の内皮細胞の新陳代謝に消費・活用され、血管を強く若返らせるためには欠かせない成分です。魚のほかには、鶏むね肉・ささみや大豆製品などもたんぱく質が含まれており、普段の食事ではこれらの食材を積極的に摂るようにするとよいでしょう。

抗酸化成分で活性酸素を減らす

活性酸素は血管を傷つけ、血管の老化を進行させます。喫煙、ストレスなどいろいろな要因で活性酸素は体内に増加します。トマト・にんじん・かぼちゃ・ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれる抗酸化成分を摂取して活性酸素が増えるのを防止しましょう。

まとめ

血管年齢は動脈硬化の進行具合を表す指標です。血管の老化は生活習慣や食生活の見直しによって改善することができます。血管年齢を下げたいと考えている方は、今回ご紹介した食品を参考に、ご自身の食生活などを見直してみてください。

監修者

東京医科大学形成外科
医師 興津 寛

熊本大学医学部卒業。中国に留学し、漢方医学の研修を受ける。専門領域は内科、皮膚科、整形外科、形成外科

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