平成14年度事業報告書、賃借対照表および損益計算書の内容報告

「報告事項」に入る前に、昨今の、当社の経営内容をめぐる様々な報道などにより、ご契約者の方々にご心配をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。また、平成14年度決算の内容につきまして、当社は、保険業法の規制により、基金の利息支払を約定にもとづき繰延べるとともに、団体保険を含めた社員配当金の割当てを行わないこととさせていただかざるを得ません。誠に申し訳なく遺憾に存じますが、何卒ご理解を賜りますようあらかじめお願いを申し上げる次第です。

事業報告書

(事業報告書本文を説明しました。)

「朝日生命プロジェクトR」の進捗状況

当社は平成14年度と平成15年度の2年間、「朝日生命プロジェクトR」の実行により、収益性・健全性の高い企業となるべく、集中的な経営改革に取り組んでいるところです。この「朝日生命プロジェクトR」につき、多くの項目について前倒しで完了することができました。

まず、「財務体質の改善」についてですが、

  • 平成14年度末の国内株式残高は、価格変動リスク削減の観点から、2,956億円減少し、7,565億円となりました(簿価ベース)。減少の内訳は、売買等により2,360億円、減損処理により595億円となっています。なお、相場動向を踏まえて、今後も引き続き圧縮を進めます。
  • 有価証券の含み損ですが、平成13年度末の495億円から、平成14年度末には1,626億円となりました。このうち、国内株式の含み損は、残高の圧縮に努めましたものの、株価の大幅な下落を受け、平成13年度末の1,059億円から平成14年度末には2,132億円となりました。
  • 不良債権については、売却・回収等を進めた結果、平成13年度末と比べて175億円減少し、655億円となりました。なお、不良債権残高については、担保等で回収可能な部分を除き、すべて引当済です。
  • 基金の増額ですが、8月に基金の再募集を行い、110億円を新たに調達いたしました。これにより、基金の総額(基金償却積立金を含む)は2,610億円となりました。

次に、「経営の効率性の向上」についてですが、

  • 平成15年度始の内勤職員数は3,890名と、「朝日生命プロジェクトR」に掲げた4,000名体制を実現しました。平成14年度始に比べて1,506名の職員が退職したこととなり、会社の再生のためには避けて通れないことではありますが、経営を預かる者としては、断腸の思いです。また、給賞与についても、平成13年度に比べ、平成14、15年度の2年間で年収の15%に相当する削減を行っています。
  • 平成14年10月に統括部門制を導入するなど、本社機構のスリム化、営業組織の効率化等を進めた結果、平成15年度始には本社統括部門11、支社58、営業所718の組織体制でスタートしました。関連会社については6社減となり、平成15年度始では18社となりました。
  • 事業費総額につきましては、内勤職員数の削減や給賞与の削減、あらゆる経費の徹底的な見直しなどにより、352億円削減し、1,670億円となりました。平成15年度の予算は、更に190億円の削減予定としておりますので、平成14、15年度の2年間の削減額は、約540億円となり、「朝日生命プロジェクトR」の事業費削減計画である「2年間で400億円の削減」を大幅に上回る見込みとなりました。

今年度においても、引き続き取り組んでいかなければならないものとして、「国内株式残高の総資産比8%以内への圧縮」と「含み損の一掃」があります。
国内株式の残高は、大幅に削減を行ってきております。また、含み損の一掃につきましては、マーケットの動向にもよりますが、引き続き、これらの計画の達成を目指してまいりたいと存じます。

「サクセスA」

生保会社の事業環境は、ストック(資産)面では、資産デフレが進行するなかで時価会計が導入され、「資産を多く持つ会社が必ずしも有利とならない時代」になっています。
一方、フロー(収益)面では、少子高齢化の進展や外資を含む新規会社の参入により、本格的な価格競争に突入し、利益が圧縮されやすい時代になっています。
こうした現状認識に基づき、まず、ストック面の課題を解決するために、「プロジェクトR」を策定し、その主要な課題のひとつである「経営インフラのリストラクチャリング」は、この3月末で、ほぼ完了します。
一方、フロー面では、ベースとなるコスト削減は進んでいますが、フロー収益力改善のためには、それだけでは不十分です。
そこで、保険本業における収益力強化の取組みを、「プロジェクトR」から切り出して、更に踏み込んだ展開を、新経営戦略「サクセスA」として策定したものです。

「サクセスA」の基本戦略は、事業ポートフォリオを変革し、収益構造を抜本的に転換することにより、基礎利益と基礎利益率の向上を最優先で目指すことです。(基礎利益、基礎利益率につきまして、数値目標を掲げております。)
具体的には、

  • 個人保険マーケットに特化し、第三分野の本格展開を推進すること
  • 契約の継続にこだわり、320万人強のご契約者を守りぬくこと
  • 営業職員制度の改正などを通じて、質の高いコア層となる営業職員の層を拡充すること

です。すなわち、収益志向・お客様志向を徹底することにより、「お客様満足度と収益力を向上させる」ということです。
そのために、BPI(Business Profit Indicator:業務収益指標)という新たな指標を導入するとともに、制度や規程の面でも「保険料収入ベースの体系」に変更していきます。

当社は「規模の拡大」を追うのではなく、「顧客満足度」と「収益性」という価値観を最上位に置き、他社に先んじて、長年の課題に真正面から取り組んで参ります。

健全性の指標

  • 実質純資産額は、2,363億円、
  • ソルベンシーマージン比率は、360.4%、

となっています。
いずれも、数値は前年度に比べて減少しておりますが、健全性において、問題の無い水準を維持しています。

貸借対照表

年度末の総資産は、6兆5,968億円であり、前年度末に比べ、1兆1千億円程度、14%強の減少となっています。
総資産が減少した主な要因は、当社が団体年金分野からの撤退を進めていることと、貯蓄性商品ではなく、死亡保障や第三分野などの商品に力を入れていることにあります。
今後も、総資産ではなく、収益力の向上に力を入れていきたいと考えています。
資産運用については、株式を中心としたリスク性資産の圧縮を進めております。
「株式等評価差額金」は、有価証券の「含み損」を、直接、資本に計上するものですが、大幅な株価の下落によりまして、昨年度よりも大幅に増加しており、マイナス2千億円となっています。

損益計算書

経常収益は、1兆9,375億円となりました。このうち、保険料等収入は、団体保険と団体年金の保険料収入が大幅に減少したことなどから、前年度に比べて約70%の水準となりました。
経常費用は、1兆9,358億円となりました。このうち、保険金等支払金は、解約返戻金が減少したことなどから、前年度に比べて43.9%と減少しました。資産運用費用は、有価証券評価損が減少したことから、1,935億円となりました。
この結果、経常利益は17億円となり、前年度の大幅赤字から、経常黒字に転換しました。
特別利益は、希望退職制度の実施にともなう人員削減などにより発生した退職給付制度の一部終了による益や、貸倒引当金戻入額を計上したことから、318億円となり、特別損失は、希望退職者の割増退職金を計上したことなどから、246億円となりました。
以上の結果、当期剰余は58億円となり、これに前期繰越剰余金などを加え、当期未処分剰余金は401億円を計上しました。

基礎利益と逆ざや

基礎利益は、757億円となりました。
これは、いわゆる「逆ざや」の880億円を吸収したうえで、757億円の収益があるということであり、生命保険本業の、フローとしての収益力は充分あるということです。
なお、この「逆ざや」に関連して、「予定利率の引き下げ」を含む保険業法改正法案が国会で審議中ですが、当社は「逆ざや」を吸収したうえで、このように757億円の基礎利益を確保しているわけで、「予定利率の引き下げ」は必要なく、その実施は考えておりません。

決算公告のIT化

「貸借対照表」と「損益計算書」につきまして、昨年までは、定時総代会の翌日に、日本経済新聞に「決算公告」を掲載しておりましたが、今年度からは、当社ホームページへ掲載することをもって、決算公告に代えることといたします。昨年4月に施行された改正商法にもとづきまして、いわゆる「決算公告のIT化」を実施するものです。

以上