生保会社の事業環境は、ストック(資産)面では、資産デフレが進行するなかで時価会計が導入され、「資産を多く持つ会社が必ずしも有利とならない時代」になっています。
一方、フロー(収益)面では、少子高齢化の進展や外資を含む新規会社の参入により、本格的な価格競争に突入し、利益が圧縮されやすい時代になっています。
こうした現状認識に基づき、まず、ストック面の課題を解決するために、「プロジェクトR」を策定し、その主要な課題のひとつである「経営インフラのリストラクチャリング」は、この3月末で、ほぼ完了します。
一方、フロー面では、ベースとなるコスト削減は進んでいますが、フロー収益力改善のためには、それだけでは不十分です。
そこで、保険本業における収益力強化の取組みを、「プロジェクトR」から切り出して、更に踏み込んだ展開を、新経営戦略「サクセスA」として策定したものです。
「サクセスA」の基本戦略は、事業ポートフォリオを変革し、収益構造を抜本的に転換することにより、基礎利益と基礎利益率の向上を最優先で目指すことです。(基礎利益、基礎利益率につきまして、数値目標を掲げております。)
具体的には、
-
個人保険マーケットに特化し、第三分野の本格展開を推進すること
-
契約の継続にこだわり、320万人強のご契約者を守りぬくこと
-
営業職員制度の改正などを通じて、質の高いコア層となる営業職員の層を拡充すること
です。すなわち、収益志向・お客様志向を徹底することにより、「お客様満足度と収益力を向上させる」ということです。
そのために、BPI(Business Profit Indicator:業務収益指標)という新たな指標を導入するとともに、制度や規程の面でも「保険料収入ベースの体系」に変更していきます。
当社は「規模の拡大」を追うのではなく、「顧客満足度」と「収益性」という価値観を最上位に置き、他社に先んじて、長年の課題に真正面から取り組んで参ります。