乳がんの基礎知識

知ってるつもりの「乳がん」かも知れませんが、意外と知らないことも多いかも・・。 まずは、正しい知識と理解から・・・それが、ピンクリボン運動の入り口です。(監修:認定NPO法人J.POSH)

乳がんって、どんながん?

乳がんは、乳房の乳腺組織に発生する悪性の腫瘍です。リンパ管や血管から乳房の外まで転移する性質を持つ「浸潤がん」と、そのような性質をほとんど持たずに内部にとどまっている「非浸潤がん」に分けられます。多くの乳がんは浸潤がんで、放置するとがん細胞がリンパや血液を通して肺や骨などの臓器にも転移してしまいます。

乳がんになる女性は多いの?

乳がんになる女性は年々増え続けています。現在では女性のがんのトップです。 乳がんの発生は、20歳過ぎから徐々に増えはじめ、30歳代ではさらに増え、40歳代から70歳代にピークを迎えます。20歳過ぎれば“乳がん年齢”です。

乳がんにかかりやすい人は?

以下の項目に該当する場合は、乳がんにかかるリスクが少し高くなると言われています。
  • 月経
    初潮が早かったり、または閉経が遅かったりした場合
  • 出産
    初産が遅かった場合
  • 授乳
    授乳の経験がない場合
  • 体重
    閉経後に急に肥満になった場合
  • その他
    避妊薬ピルや女性ホルモンを常用している場合

乳がん検査はどこで受けられるの?

  • 自治体検診
    各自治体によって対象年齢(多くの場合40歳以上)や検査内容、自己負担額が異なりますが、以下の「個別検査」に比べると安価で受診できます。
  • 個別検査
    自分で人間ドックや医療機関などの施設を選び検査を受けます。費用は全額自己負担となり、健康保険は適用されません。費用は施設によってまちまちですが、数千円~1万円程度が必要です。
  • 視触診
    機械は使用せず、医師が乳房にしこりがないかを診察します。ある程度大きくなったがんしか発見できないため、マンモグラフィー検査や乳房超音波検査を併用することが重要です。
  • 乳房超音波(エコー)検査
    乳房に超音波を当てて、内部から返ってくる音波の変化を画像に映し出す検査です。とても小さなしこりの発見やマンモグラフィーでは判断が難しい高濃度の乳腺と乳がんの判別ができます。特に、妊娠中や授乳中の人、乳腺濃度の高い人、若い人に向いている検査方法です。
  • マンモグラフィー検査
    左右の乳房をそれぞれ片方ずつ2枚の透明なアクリル板で挟んで、薄く均等に広がるように圧迫し、X線で撮影します。放射線の体への影響はほとんどありません。超早期の小さな乳がんや石灰化、しこりを作らない乳がんの発見に効果があります。

セルフチェックが重要って言われるけど、どんなことをすればいいの?

乳房の異変に気付くためには、日ごろから自分の乳房の状態を把握しておくことが大切です。月に1回、定期的にセルフチェックを行いましょう。生理が終わって約1週間後の乳腺が安定した頃が理想的です。
  • ステップ1
    両手をあげて鏡の前に立ち、ひきつれ、くぼみ、ただれなど、気になるところはないかをチェックします。
  • ステップ2
    わきの下から乳房全体、乳首までを4本の指で「の」の字を書くようにして、しこりや硬い部分がないかをチェックします。
  • ステップ3
    乳頭の根元を軽くつまんで、血が混じったような分泌物が出ないかをチェックします。
  • ステップ4
    仰向けに寝て、ステップ2と同じようにしこりや硬い部分がないかをチェックします。
乳がん検査は、内科や婦人科ではなく、乳腺専門の医師がいる医療機関(乳腺科または乳腺外科)で受診してください。医療機関を選ぶときは、病院の規模や新旧よりも、日本乳癌学会の認定医や専門医、マンモグラフィ読影認定医がいるかどうかを基準にするとよいでしょう。
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